尾道 広島 映画と酒のふるさとを訪ねて

                  2005.2.28~3.1

まずは映画の町…、広島県 尾道市に向かいました。

             
 尾道は 映画やTVに度々登場し 数々の名作が生まれた町。
 古くは昭和28年、小津安二郎監督の「東京物語」
 最近では尾道出身の大林宣彦監督の
 尾道三部作「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」
 新尾道三部作「ふたり」「あした」「あの、夏の日」
 まさに尾道は「映画のまち」

どこを切り取っても絵になる尾道の風景に見とれながら ロケ地となった場所や大林監督の生家など 映画ゆかりの地を巡りました

       
ご案内いただいたのは 大林監督も立ち寄るワッフルの美味しいカフェ「こもん」のオーナーで、映画会社東映の尾道担当制作部の大谷治さん(長身でカッコイイ)

          
ご存じ「転校生」で主人公の二人が転がり落ち、入れ替わってしまった階段
せっかくだから、、と ここで一人階段落ちを実践っ!(おばか...)

現在、尾道は2005年12月ロードショー公開予定の「男たちの大和 YAMATO」のロケ地となっていました
(映画の原作は、日本海軍の男たち、特に歳若い下士官たちの足跡を丹念に綴り、
第3回新田次郎文学賞を受賞した辺見じゅん著のノンフィクション
『男たちの大和』(ハルキ文庫刊)。
『人間の証明』『空海』『敦煌』等を手がけた巨匠・佐藤純彌監督が メガホンをとります。この3月クランクイン予定。完成をお楽しみに♪

      
これが尾道名物「でべら」!…がんぞうガレイを縄で繋げて干したもので、サッと炙って金槌で叩き、砂糖醤油などつけて食します。うぅぅ、旨い!日本酒が飲みたくなる♪

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そこで。。。翌3月1日は 広島県内の酒蔵巡りとあいなりました。
広島県は 実は 今や全国でもてはやされる美味しい酒「吟醸酒」発祥の地。
杜氏さんのふるさとです。

芳醇でコクがあり飲み口のなめらかという広島の酒、「灘の男酒」に対して「広島の女酒」などと呼ばれますが はたしてどんな味わいと巡り逢えるのか♪

広島を代表するお酒の町…西条、竹原、安芸津、三原を回り、全国に名を馳せる名酒を育てた秘密を、銀の鈴(!東京駅の待ち合わせ場所じゃないんだからっっ)じゃなくって「吟の騎士」(日本吟醸酒協会認定)の称号を持つ!小川もこが探ったのでした。(というか、呑みまくってましたぁ)

明治の 安芸津杜氏・三浦仙三郎が軟水でも醸すことのできる「吟醸醸造法」を編み出したところから一気に広島の酒の名声が高まってきます。
明治40年に東京の醸造試験所で開かれた、第1回の「全国酒類品評会」(今年で100回目)で「広島の酒」は圧勝したのですねぇ。

広島には70社の酒蔵があります。どこへ行こうか悩む悩む。。。熟考の末、この4つの酒蔵におじゃましました。


まずは、灘、伏見と並ぶ名銘醸地 西条へ…
東広島市の西条は広島県のほぼ中央に位置し、中国山地に連なる山々に囲まれた標高200メートル余りの高原盆地。

冬の厳しい冷え込み、夏の涼しい気候が酒造りに適していたため、古くより酒造りが産業として発展してきました。醸造元の立ち並び、煉瓦製の大きな煙突が林立する様は街の景色として圧巻!鎧格子の小窓から酒の香りが漂ってきました。

元和9年(西暦1623年)創業という古い歴史を持つ加茂鶴酒造「賀茂鶴」さんを訪ねました。ここは今も全国新酒鑑評会で連続金賞を受賞しています。
大きな蔵なので、杜氏さんは3人もいらっしゃるとか。その中で杜氏歴38年の幸田さんと杜氏歴26年の峠本(たおもと)さんにお会いしました。
幸田さんは 広島県内の杜氏として初めて現代の名工に選ばれています。

「大吟醸 双鶴」をはじめ、賀茂鶴さんは吟醸酒に圧倒的自信を持っているだけに本当に美味しい。おいおい、利き酒って飲み込んじゃだめなんだよ、、って言われても、ゴクゴクといただき、最初からボルテージは上がりっぱなし♪


次は広島県の瀬戸内海に面した安芸津町へ。
安芸津は大小さまざまの美しい島なみの風景と、穏やかな気候に恵まれた小さな街。

この街は昔から杜氏のふるさととして知られ、広島県内をはじめ、各地に
優秀な酒造技術者を輩出しました。

そんな日本酒の原点の土地で酒造り情熱を受け継ぐ広島の蔵元、
「富久長」今田酒造本店さん ここの杜氏さんは美しき乙女でしたぁ!
酒蔵の跡取り娘スーパーレディ 今田美穂さん の妥協のない酒造りには感銘しました。
           
杜氏歴3年の彼女、決して大きくはない蔵で4人の蔵人で醸す入魂の酒。そのためには なによりもチームワークが大事と語る瞳は大きく、キラキラと煌めいて。なんて綺麗!

続いては 竹原 の町へ。
「竹原 街並み保存地」落ち着いた静けさと、時代を超えた雰囲気に
思わず心もなごみます。棒瓦の屋根、塗りごめの壁、れんじ格子…、
町人文化の残りが、江戸時代そのままの家並の中に静かに息吹いていました。

その町並みの中 古い酒蔵を解放した【酒蔵(さかぐら)交流館】を訪ねました。           

「龍勢・宝寿」の 藤井酒造【竹原酒蔵交流館】にて藤井善文さんと
ここでは酒蔵を利用して様々なライブや催しをおこない、人々の酒を介しての交流を目指しています。
ジャズ、 落語、津軽三味線をはじめ、X-JAPANのTOSHIも ここでコンサートをおこないました。
最近では アルコール添加を一切おこなわない、「純米酒」にこだわり、この酒蔵の酒は今や100%米と米麹だけで作られています。写真で手にしている濁り酒はピッチピチに活きてるその名も「活濁酒」 すっきりうまい。

最後に訪れた 三原は万葉の頃より酒の銘醸地と知られ、小早川隆景の築いた三原城の城下町として発展した町。ここにあるのは日本画の巨匠横山大観がこよなく愛した酒 「酔心」(株式会社酔心山根本店)がありました…「ぶなのしずく」と、「純米大吟醸酔心 超軟水仕込み」を 試飲させていただきました。柔らかく優しくまっこと旨かった♪

豊穣な土地から生まれる豊富な酒米、軟水を中心とする美味しい水、広島杜氏の確かな技、温和な気候風土、環境に恵まれた「広島の酒」…。

ロあたりが柔らかで、芳醇で旨味に富んだ「広島酒」
もう、、、大好きになりました。

(以下、小川の週間めるまが【もこまぐ88号】より抜粋です)

==「旨し酒 旨し人」===

「おとこまえ」ついついカッコイイ女性を見かけると、こう口走ってしまう私。
それは歌手や女優、ミュージシャン、タレントなど番組にゲストでお迎えする人物である場合が多い。が、先週の広島取材でお会いしたのは 久々に「よっっ!男前っ!!」と心の底から声をかけたくなるような素敵な女性だった。

今回の旅は前編が尾道映画ロケ地巡り、そうして後編が広島県内の酒蔵巡り。勿論、試飲ありね♪ 日本酒大好きで、日本吟醸酒協会認定”吟の騎士”でもある不肖小川、こたえられないテーマのもと、喜び勇んで広島県内4つの酒蔵を闊歩したのだった。

 有名な酒処と聞くと、北陸や東北を思い浮かべるかしら?実は「日本三大銘醸地」といえば 灘(兵庫県)、伏見(京都府)、そして安芸西条(広島県)とされている。

 この広島が「吟醸酒 発祥の地」であるという事実をご存じだろうか。

1897年、軟水による改良醸造法を完成させたのが、広島杜氏の三浦仙三郎その人。発酵が遅く、それまで酒を醸すには不適とされていた軟水を使って、低温で長期間発酵を行うことで、特有の風味のついた酒になることを発見したのだ。それが吟醸酒。仙三郎さん、あんたはエラい!で、普通そんな凄い技をあみ出したら、自分だけのものとして特許を取得し、一族だけで発展していこうとするものでしょ。ところがこの仙三郎さんは違う。この改良醸造法を後輩にどんどん指導し、稼働組合まで組織してしまった。全国新酒鑑評会では広島杜氏の醸す酒が今も多く入賞している。

 そんな広島杜氏の里、安芸津町は仙三郎さんちのお隣の蔵の杜氏さんが、今回惚れ込んだ今田美穂さんである。そう、女杜氏!「夏子の酒」の世界じゃないが、今や全国にも複数の女性杜氏さんがいらっしゃる中、彼女は仕込みから全て自分でおこなっている正真正銘の男前。私の前に現れた時も、首に日本手ぬぐい巻いてゴム長靴、ジャンパーひっかけ、髪は一つに束ね、まるで カールおじさんか志村けんの演じてる変なおじさんみたいだよねと笑う その笑顔がまた素敵なのよ。。

東京で10年、古典芸能の”能”に携わる仕事を続けてきた彼女が 故郷に戻って何故酒蔵を継ごうと思ったのかから始まり、いろいろな話を聴いた。

前杜氏さんに習い 一から酒造りに取り組む日々のこと、今もなお毎日が戦場のよう...と語る言葉の一つ一つが笑顔のオブラートにくるまれているのだが、大変な苦労が隠されているのが見て取れる。

それにつけても彼女、本当に明るい。声の響きがCメジャーコード(!)なのだ。マイナーコードの哀しい雰囲気とは違い、全ての事象に前向きに立ち向かっていると感じられてしまうのね。語尾に「♪」が付いてる感じ。そんな、人の気持ちを和ませるのも彼女の天賦の才能。思わず、DJ・パーソナリティーにスカウトしたいわと思ってしまった。

 超軟水で仕込み水で醸すここ「富久長」の酒は、広島らしい旨味がふくらむ。
美穂さんに、一言で喩えるなら?と問えば「エレガントな♪」とのお応え。確かに!試飲させていただいた絞りたての大吟醸新酒は。エレガントで,,,その上気骨がある。この二律背反する魅力の両方を感じさせる小さな蔵「富久長」の酒、彼女と素敵な仲間達、蔵人総勢4名で醸す酒。    うん。出会ってしまったなぁ。

今回はさらに、西条地区から江戸初期創業の老舗「加茂鶴」、小京都の町並みが美しい竹原では純米にこだわる「宝寿」、そして三原市は画家・横山大観がこよなく愛した酒「酔心」。全部で70を越える広島県の酒蔵から4カ所を廻ってみたが、いずれも個性豊かで「旨口」という表現がぴったりな本当に美味い酒。いやぁ...愉しい取材だった。飲兵衛小川の旅の大団円を飾るに相応しいと思えました。
広島の酒、あなたも機会を見つけて是非、味わってみてください。

そうして世界に自慢できる”日本酒”。もっともっと呑む機会を増やしてね。

このページで今田酒造 今田美穂さんの男前な奮闘ぶりが読めます。是非どうぞ。
http://fukucho.ameblo.jp/